腹部に蓄積する脂肪が、従来重要とされたBMI以上に心不全のリスクにつながる可能性が示された。
米国心臓協会(AHA)の学術集会で2026年3月に発表された。
肥満はBMIではとらえきれない?
医療者が腹囲を測定している様子。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)
- BMIは広く使われてきたが、心不全リスクを十分にとらえきれない可能性がある。
- 研究では腹囲や腹囲身長比など、内臓脂肪を反映する指標に注目した。
- 約2000人を対象に、体脂肪指標と炎症マーカーを含めて長期解析した。
心不全は、主要な循環器疾患の一つであり、それを防ぐためにはリスクに手を打つことが欠かせない。
従来、BMIが心不全と関連する肥満の指標として広く用いられてきた。
今回、研究グループは、脂肪の分布に着目し、内臓脂肪を反映する腹囲などと心不全との関連を検証した。
研究グループは、米国ミシシッピ州の約2000人の成人を対象として長期にわたって追跡調査したデータを解析した。
研究では、体重やBMIに加え、腹囲や身長に対する腹囲の割合を示す「腹囲身長比」といった指標を用いて体脂肪を評価した。
さらに血液検査により炎症マーカー(高感度CRP)も測った。
炎症が悪影響を及ぼす可能性
メジャーで腹囲を測る様子。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)
- 約7年で112人が心不全を発症し、BMIではなく腹囲や腹囲身長比がリスク上昇と関連した。
- 腹部脂肪と心不全リスクの関連の25〜33%は、炎症が悪影響を及ぼしていると考えられた。
- 腹囲の確認は、心不全リスクの早期把握や予防につながる可能性がある。
約7年の追跡期間中に112人が心不全を発症し、BMIの高さは有意な関連を示さなかった一方、腹囲や腹囲身長比の増加は明確に心不全リスクの上昇と関連した。
見かけ上は標準体重であっても、腹部脂肪が多い場合にはリスクが高まることが示された。
さらに、腹部脂肪と心不全リスクの関連のうち、およそ25〜33%が炎症によって説明されることが明らかになった。
炎症は免疫系の異常や血管障害、心筋の線維化を引き起こすことが知られており、心不全を発症させる原因になる。一方で、炎症レベルが高い人ほど心不全の発症率が高い傾向も確認された。
こうした点から、単に脂肪の量が多いから悪影響が現れるというよりも、脂肪組織が引き起こす身体の変化が病気のリスクにつながることを示している。
日常的にチェックすることで、心不全リスクの早期把握や心不全予防にもつながる可能性がある。
おなか周りが気になる人は注意する必要がありそうだ。