採血だけでがんの遺伝子情報を詳しく調べる「リキッドバイオプシー」が、DNAだけでなくRNAや血液細胞の情報まで組み合わせて解析する形に進化する。
米キャリス・ライフサイエンシズ(Caris Life Sciences)は2026年9月、リキッドバイオプシー「キャリス・アシュア(Caris Assure)」の機能を強化し、1回の採血からより幅広い分子情報を得られるようにしたと発表した。
DNAだけでなくRNAや血液細胞の情報も解析
- キャリス・アシュアは、採血だけでDNA、RNA、血液細胞の情報を組み合わせて解析するリキッドバイオプシー。
- 2万3000を超える遺伝子を調べ、RNA解析によって融合遺伝子なども検出しやすくした。
- 血液細胞の情報も解析することで、がんに由来する遺伝子変化と、それ以外の変化を見分けやすくする。
リキッドバイオプシーは、採血した血液から、がんに関係する遺伝子の変化などを調べる方法だ。組織を採取する検査とは異なり、採血だけでがんの特徴を調べられる。
今回強化されたキャリス・アシュアでは、DNAを幅広く調べる「全エクソーム解析」に加え、遺伝子がどのように働いているかを反映するRNAも幅広く解析する。エクソームは、DNAのうちタンパク質をコードする領域(エクソン)の集合を指す。こうした遺伝子に関する情報に加えて、血液細胞の情報も調べる。
解析する遺伝子は2万3000を超える。RNAを調べることで、異なる遺伝子の一部が結び付いて生じる「融合遺伝子」なども検出しやすくしたという。
血液から遺伝子を調べる場合、見つかった変化が必ずしもがん由来とは限らない。血液細胞に由来する遺伝子変化が混じることもある。今回の検査では血液細胞の情報も一緒に調べることで、がんに由来する変化と、それ以外の変化を見分けやすくする。
キャリスは、こうした情報をまとめて解析することで、患者のがんの特徴をより詳しく把握し、治療法を考える際の材料を増やせるとしている。
治療中の変化も血液から3段階で評価
- 治療中に繰り返し採血することで、血液中の腫瘍由来の分子情報がどう変化したかを評価する機能が加わった。
- 複数回の検査結果を「分子学的奏効」「中間」「分子学的進行」の3段階で示し、治療への反応や病気の進行を考える手掛かりにする。
- 検査結果が出るまでの期間は中央値で約7日。治療法の選択や、その後の経過観察への活用が期待される。
今回の強化では、治療中に繰り返し検査を受けた患者について、血液中の腫瘍由来の分子情報がどのように変化したかを評価する機能も加わった。
複数回検査した場合には、結果を「分子学的奏効」「中間」「分子学的進行」の3段階に分けて示す。血液中の腫瘍由来の情報の変化を基に、治療への反応や病気の進行を考える手掛かりにする。
「どの遺伝子変化があるか」を調べるだけでなく、治療を続ける中でがんの状態がどう変わっているかを血液から追うことを目指している。
検査結果が出るまでの期間は中央値で約7日としている。キャリスは、DNA、RNA、血液細胞の情報を一つの検査で調べることで、治療法の選択だけでなく、その後の治療経過を考えるための情報も提供できるとしている。
血液から得られる幅広い情報を、実際の治療選択や経過観察にどのように生かしていくかが今後の焦点となる。