研究

若い世代の大腸がん、進行した状態で見つかるケースが多く

21歳以下84人を調査、3分の1超が再発、約半数が大腸がんで死亡

多様な若者たちが集まり、会話や交流をしているイラスト。
21歳以下の大腸がん患者では、3分の1超で再発、約半数が大腸がんで死亡していた。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)

大腸がんは高齢者に多いイメージがあるが、若い世代でも発症し、見つかった時には進行しているケースが少なくないことが報告された。

米国の研究グループが、34施設のデータを用いた研究結果を2026年10月、米国小児科学会(AAP)の2026年年次総会で発表した。

21歳以下でも多くがステージIIIまたはIVで診断

年齢や性別の異なる複数の人物の顔を並べたイラスト。
若年者の大腸がんでは、家族歴がない場合でも注意が必要になる。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)
  • 2012~2023年に大腸がんと診断された21歳以下の患者84人について、診療記録を調査した。
  • 多くの患者がステージIIIまたはIVの進行がんで診断され、家族歴があった人は20%にとどまった。
  • 腰痛や腹痛、便通の変化、体重減少、直腸からの出血などが、若い人では大腸がんの兆候として見過ごされる可能性がある。

PREVONOでもかねて伝えているが、若い世代で大腸がんが増えていることへの懸念が高まっている。そうした中で、特に年齢の低い21歳以下の患者では、大腸がんにどのような傾向が見られるのか。

今回、研究グループは、2012~2023年に大腸がんと診断された21歳以下の患者84人について、診療記録をさかのぼって調べた。

その結果、多くの患者が、がんが周囲の組織やリンパ節に広がったステージIII、またはほかの臓器に転移したステージIVの状態で診断されていた。一方、1親等または2親等の親族に大腸がんの患者がいた人は20%だった。若い世代の大腸がんでも、必ずしも家族歴があるとは限らない。

研究者によると、若い人では大腸がんそのものが珍しいため、腰や腹部の痛み、便通の変化、原因のはっきりしない体重減少、直腸からの出血といった症状が、がんの兆候として受け止められにくい場合がある。

診断の遅れに加え、若年で発症する大腸がんでは、悪性度の高い腫瘍が見られることもあり、発見時に病気が進んでいる一因になる可能性があるという。

家族歴がなくても、体重減少や出血などの症状に注意

スマートフォンやスーツケースを持って移動する若者たちのイラスト。
若い世代でも大腸がんが進行した状態で見つかるケースがある。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)
  • 調査対象の84人では、3分の1を超える患者でがんが再発し、約半数が大腸がんによって死亡していた。
  • 診断の遅れと腫瘍の悪性度の高さが重なり、若年患者の長期的な経過を悪化させる可能性がある。
  • 家族歴がなくても、原因不明の体重減少や直腸からの出血などがあれば、年齢だけで大腸がんを否定せず、慎重に調べる必要がある。

今回の84人では、3分の1を超える患者でがんが再発し、約半数が大腸がんによって死亡していた。

研究グループは、若年者の大腸がんでは、診断の遅れと腫瘍そのものの悪性度の高さが重なり、長期的な経過が悪くなる可能性があると指摘している。特に、原因の分からない体重減少や直腸からの出血などがある場合には、年齢だけで大腸がんの可能性を除外せず、慎重に調べる必要があると説明する。

今回の結果は、若い患者でも体重減少や直腸からの出血などの症状を軽視せず、慎重に評価する必要性を示している。

参考文献

Colorectal Cancer on the Rise in Adolescent Patients(American Academy of Pediatrics)
https://www.aap.org/en/news-room/news-releases/aap/2026/colorectal-cancer-on-the-rise-in-adolescent-patients/

星良孝

この記事の執筆者

星良孝

PRENOVO編集長。東京大学農学部獣医学課程卒。日経BPにて「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集・記者を担当後、エムスリーなどを経て2017年にステラ・メディックスを設立。ヘルスケア分野を中心に取材・発信を続ける。獣医師。

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