筋層浸潤性膀胱がんの患者について、手術後に薬剤による治療を行うかを判断するための検査「Signatera」が、日本で承認された。
開発企業のナテラ(Natera)が2026年9月22日に発表した。
手術後に残るがんの兆候を手掛かりに治療を判断
血液中のがん由来DNAを調べる検査は、手術後に残るがんの兆候を評価する手段として注目されている。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)
- 筋層浸潤性膀胱がんでは再発リスクが高く、手術後に追加治療を行うかどうかの判断が重要になる。
- 「Signatera」は、手術後に残るごくわずかながんを示す微小残存病変(MRD)を調べる検査として日本で承認された。
- MRDの結果を基に、免疫チェックポイント阻害薬アテゾリズマブによる術後治療を選ぶコンパニオン診断として使われる。
筋層浸潤性膀胱がんは、膀胱の壁にある筋肉の層までがんが入り込んだ状態を指す。ナテラの発表によると、日本では年間3万4000人以上が膀胱がんと診断され、新たに診断される患者の約20~25%が筋層浸潤性に当たるという。
筋層浸潤性膀胱がんは、より早い段階の膀胱がんに比べて再発するリスクが高い。手術後に追加の治療を行うかどうかを判断することが重要になる。
今回承認されたSignateraは、手術後の微小残存病変(MRD)を調べ、その結果を手掛かりに、免疫チェックポイント阻害薬のアテゾリズマブ(商品名テセントリク)を使用するかどうかを判断するための検査だ。
MRDは、治療後も体内にごくわずかながんが残っている状態を指す。Signateraは、こうした情報を基に術後治療を選ぶための「コンパニオン診断」として使われる。
コンパニオン診断は、特定の薬による治療が適しているかを判断するために使う検査を指す。今回の承認では、筋層浸潤性膀胱がんの患者について、アテゾリズマブによる術後治療を選ぶ際にSignateraを利用する。
日本を含む第3相試験を基に承認
Signateraは、血液中のがん由来DNAを調べ、術後治療の判断を補助する検査として用いられる。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)
- 承認は、日本の20以上の医療機関も参加した第3相試験「IMvigor011」のデータを基にしている。
- Signateraの日本での承認は、大腸がんに続いて今回が2回目となる。
- ナテラは、アテゾリズマブの適応承認や保険適用に向けた手続きを経て、2027年前半の国内提供開始を予定している。
今回の承認は、第3相試験「IMvigor011」のデータを基にしている。この試験では、SignateraでMRDを調べ、その結果に応じて術後にアテゾリズマブを使用する方法が検証された。
ナテラによると、試験には日本の20以上の医療機関も参加した。同社は、日本の医療機関でもSignateraを使った治療選択が試験の中で行われ、医療従事者が実際に経験しているとしている。
Signateraが日本で承認されるのは今回が2回目となる。ナテラによると、2026年6月には大腸がんで承認されており、今回はそれに続くものだ。
ナテラは、アテゾリズマブの術後治療への適応承認や、保険適用に向けた手続きを経て、2027年前半に国内でSignateraの提供を始める予定としている。
今後、MRDを手掛かりにアテゾリズマブの使用を判断する方法が、日本の診療でも使われることになる。