研究

かみ合わせと歯の寿命に関連、東北大が1.7万人解析

受け口は歯20本未満リスク1.48倍

歯科医院で口を開け、ミラーと器具で検査を受ける子ども。
歯科医院で診察を受ける様子。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)

 かみ合わせが、歯の寿命を左右する可能性があることが示された。

 東北大学の研究グループが2026年1月に発表した。

かみ合わせと歯の本数の関連を検証

母親と子どもが並んで歯みがきをしている様子。
親子で歯みがきをする様子。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)
  • 不正咬合には反対咬合や開咬などがあり、前歯部に代表的な異常がみられる。
  • かみ合わせの異常は、咀嚼機能や見た目だけでなく口腔環境全体に悪影響を及ぼす可能性がある。
  • 1万7349人を対象に、前歯のかみ合わせ異常と残存歯数(20本未満)との関連を解析した。

 かみ合わせの異常を意味する「不正咬合(ふせいこうごう)」は、歯並びやかみ合わせが正常な位置関係から外れた状態を指す。不正咬合の中には、下の前歯が上の前歯より前に出る状態である「反対咬合」や奥歯をかみ合わせても前歯が接触しない状態である「開咬」があり、これらは前歯部の代表的な不正咬合となる。

 こうしたかみ合わせの異常があると、食べ物などをかむ機能や見た目の問題が出てくるが、そればかりではなく、口腔環境全体に悪影響を及ぼす可能性もある。

 研究報告によれば、かみ合わせの異常が、どの程度、歯の寿命に影響するかは十分に明らかではなかった。歯を失うことはこれまで虫歯や歯周病が主な原因とされている。

 今回、研究グループは、「東北メディカル・メガバンク計画」のコホート調査参加者を対象として、前歯のかみ合わせ異常と残る歯の本数との関連を解析した。対象者は40歳以上の1万7349人。歯が20本未満である割合や部位別の歯の喪失リスクを調べた。

矯正治療の意義も示す

歯に装着されたワイヤー式の矯正装置。
歯に装着されたワイヤー矯正装置。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)
  • 反対咬合の人は歯が20本未満となるリスクが1.48倍に上昇していた。
  • 奥歯の喪失リスクも1.14倍高く、反対咬合との顕著な関連が示された。
  • 矯正治療は審美面だけでなく、将来的な歯の喪失予防や健康寿命延伸につながる可能性がある。

 解析の結果、反対咬合の人では歯が20本未満であるリスクが1.48倍に上昇していた。さらに、奥歯の喪失リスクも1.14倍高いことが示された。

 一方、開咬との関連についても検討が行われたが、特に反対咬合が顕著な関連を示した点が注目される。

 今回の研究は、かみ合わせの異常が歯の寿命に影響している可能性を示すものとなる。

 研究グループは、矯正歯科治療が審美的な改善のみならず、将来的な歯の喪失予防や健康寿命の延伸にもつながる可能性があると指摘する。

 不正咬合の早期発見や矯正治療の重要性を改めて示す結果といえる。

 研究成果は、歯学専門誌「Clinical Oral Investigations」に掲載された。

参考文献

反対咬合(受け口)は歯20本未満リスクが1.48倍―1.7万人解析 かみ合わせが歯の寿命を左右―(東北大学)
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2026/01/press20260114-02-crossbite.html

星良孝

この記事の執筆者

星良孝

PRENOVO編集長。東京大学農学部獣医学課程卒。日経BPにて「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集・記者を担当後、エムスリーなどを経て2017年にステラ・メディックスを設立。ヘルスケア分野を中心に取材・発信を続ける。獣医師。

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