大腸がん検診を採血で受けられる選択肢が、米国でさらに広がる。
米ガーダント・ヘルスは2026年9月14日、血液による大腸がん検査「シールド」が、エビコア・バイ・エバーノース(EviCore by Evernorth)の基準で保険対象に加わると発表した。適用は2027年1月1日からで、45歳以上で、大腸がんの平均的なリスクを持つ人が対象となる。
血液中のDNAから大腸がんの兆候を調べる
血液検査に用いられる採血管。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)
シールドは血液中を流れるDNAのメチル化変化を調べ、大腸がんに関連する兆候を検出する血液検査。
FDAは45歳以上の平均リスク層を対象とする一次検診用として承認しており、陽性の場合は大腸内視鏡検査が必要になる。
米国の主要な検診指針にも盛り込まれ、実臨床では20万件超が実施されているとガーダント・ヘルスは説明している。
ガーダント・ヘルスによると、シールドは血液中を流れるDNAの「メチル化」と呼ばれる変化を調べ、大腸がんに関連する兆候を検出する血液検査だ。米食品医薬品局(FDA)が、45歳以上で大腸がんの平均的なリスクを持つ人を対象とする一次検診用の血液検査として承認している。
陽性になった場合は、大腸がんや進行した腺腫の可能性を確認するため、大腸内視鏡検査を受ける必要がある。また、同社は、大腸がんの人や高リスクの人を対象とした検査ではないとしている。
シールドは、米国がん協会(ACS)や全米総合がんネットワーク(NCCN)の大腸がん検診の指針にも盛り込まれている。ガーダント・ヘルスは、実際の医療現場ですでに20万件を超える検査が行われているほか、検診対象者が実際に検査を完了した割合が90%を超えた研究も紹介している。
米国の保険制度で存在感拡大
血液中を流れる赤血球を表した図。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)
エビコア・バイ・エバーノースの基準に2027年1月から加わり、45歳以上の平均リスク層で保険対象が広がる。
ガーダント・ヘルスによると、今回の採用でシールドの保険対象となる45歳以上は米国で約9400万人に達する。
血液検査は受けやすさが利点となる一方、陽性後は内視鏡が必要で、検査精度や費用、その後の診療まで含めた評価が重要になる。
今回、シールドを保険対象に加えるエビコア・バイ・エバーノースは、米保険大手シグナ(Cigna)傘下の会社。日本ではなじみが薄いが、保険会社向けに、医療サービスの給付や利用に関する管理を支援する「医療給付管理」を手がけている。エビコアは全米23州以上で、ブルークロス・ブルーシールド(Blue Cross Blue Shield)など複数の民間保険会社にサービスを提供している。
ガーダント・ヘルスによると、シールドはこれまでにもケアロン(Carelon)やユナイテッドヘルス・グループ(UnitedHealth Group)などで保険対象が広がっている。今回のエビコアでの採用によって、シールドの保険対象となる45歳以上は合計で約9400万人になるとしている。
便検査、内視鏡、血液検査には、それぞれ受け方だけでなく、がんを見つける精度や費用負担にも違いがある。シールドは医療機関での採血による新たな選択肢で、今回の保険対象拡大によって、利用できる環境が広がることになる。一方、陽性となれば大腸内視鏡が必要になるため、検査の精度や費用だけでなく、その後の検査まで含めて考える必要がある。
日本では便潜血検査を中心に大腸がん検診が行われている。血液による検査が今後どのように評価されるかはまだ不透明だが、米国で保険対象が広がっている動きは、検査性能や費用、陽性後の対応を含めた議論を考える上で参考になりそうだ。