研究

卵を食べる人でアルツハイマー病リスク低下 週5回以上は27%低い傾向

米国の大規模研究で報告

皿に盛り付けられた2つの目玉焼き。
皿に盛り付けられた2つの目玉焼き。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)

 卵を食べることと、アルツハイマー病のリスク低下に関係がある可能性が示された。

 米国ロマリンダ大学などの研究グループが、2026年4月に論文を発表した。

約4万人を15年以上追跡

鉄製のフライパンで焼かれた2つの目玉焼き。
フライパンで調理された目玉焼き。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)
  • 米国の大規模健康調査をもとに、65歳以上の3万9498人を平均15.3年追跡した。
  • 追跡期間中に2858人がアルツハイマー病と診断され、卵を食べる頻度との関係が調べられた。
  • 卵を食べる頻度が高い人ほど、アルツハイマー病リスクが低い傾向が示された。

 アルツハイマー病は、年齢とともに増える認知症の代表的な病気。発症を完全に防ぐ方法はまだ確立していないが、食事や生活習慣などがリスクと関係する可能性が考えられている。

 今回の研究は、米国の大規模な健康調査のデータに基づき、65歳以上の3万9498人を対象として実施された。平均15.3年の追跡期間中に、2858人がアルツハイマー病と診断されていた。

 研究グループは、卵を食べる頻度と、その後のアルツハイマー病の発症との関係を調べた。

 その結果、卵をほとんど食べない人と比べ、月1~3回食べる人ではリスクが17%低く、週2~4回食べる人では20%低かった。週5回以上食べる人では、リスクが27%低いという結果だった。

 この傾向は、年齢、性別、生活習慣、ほかの食品の摂取、持病などを考慮しても確認された。卵を食べる人は、食事全体や生活習慣が違う可能性があるため、こうした要因をできるだけ調整した上で関係を調べている。

卵の栄養が脳に関係する可能性

紙製の卵パックに並んだ複数の茶色い卵。
卵パックに入った鶏卵。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)
  • 卵には、コリンやルテイン、ゼアキサンチンなど、脳の働きに関わる可能性がある栄養素が含まれる。
  • 今回の研究は、卵がアルツハイマー病を直接防ぐことを証明したものではなく、関連を示したもの。
  • 野菜や果物、豆類、魚などを含む健康的な食事全体の中で考える必要がある。

 卵には、脳の働きに関わる栄養素が含まれており、研究グループはその関連を指摘している。

 挙げられた栄養素は、コリン、ルテイン、ゼアキサンチン、オメガ3脂肪酸、リン脂質など。これらは記憶、神経の働き、酸化ストレスの軽減などに関わる可能性がある。

 もっとも、今回の研究は、卵がアルツハイマー病を直接防ぐという因果関係を証明したわけではない。卵を食べる習慣と、アルツハイマー病リスクの低さが「関連していた」という結果であるため、卵を食べる人の生活習慣や健康状態など、ほかの要因が影響している可能性がある。

 研究グループは、卵を健康的な食事の一部として考える必要があるとしている。卵だけを多く食べればよいという話ではなく、野菜、果物、豆類、ナッツ、魚、全粒穀物なども含めた食事全体の中で位置づける必要がある。

 とはいえ、卵という身近な食品が、アルツハイマー病リスクの低さと関連していた点は注目される。認知症と食生活との関連には、今後も継続的に注目が集まりそうだ。

 研究は、栄養分野の学術誌「The Journal of Nutrition」で報告された。

参考文献

Study: Egg consumption is associated with a lower risk of Alzheimer’s Disease(Loma Linda University Health)
https://news.llu.edu/research/study-egg-consumption-associated-lower-risk-alzheimers-disease

Oh J, Oda K, Chiriac G, Fraser GE, Sirirat R, Sabaté J. Egg Intake and the Incidence of Alzheimer’s Disease in the Adventist Health Study-2 Cohort Linked with Medicare Data. J Nutr. 2026 Apr 17;156(6):101541. doi: 10.1016/j.tjnut.2026.101541. Epub ahead of print. PMID: 42002260.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42002260/

星良孝

この記事の執筆者

星良孝

PRENOVO編集長。東京大学農学部獣医学課程卒。日経BPにて「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集・記者を担当後、エムスリーなどを経て2017年にステラ・メディックスを設立。ヘルスケア分野を中心に取材・発信を続ける。獣医師。

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