研究

炭水化物中心の食事は太りやすい?

総カロリーが増えなくても体重や脂肪が増加、大阪公立大研究

食パンを手に持って食べる女性
食パンを食べる女性。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)

 炭水化物の「偏食」を続けていると、体重や脂肪量が増えやすくなると示された。

 大阪公立大学の研究グループが、動物実験に基づいて、炭水化物中心の食事は太りやすい可能性があることを2026年1月に発表した。

炭水化物を多く含む食品の影響を調べた

クロワッサンや食パンなどのパンの盛り合わせ
クロワッサンや食パンなどのパンの盛り合わせ。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)
  • 肥満は糖尿病など生活習慣病のリスクを高めるため、予防が課題。
  • これまで肥満の研究では脂質の摂取が主に注目され、炭水化物の食品の影響は十分に検証されず。
  • 研究ではパンや小麦粉、米粉などを自由に選べる条件で動物実験を行い、体重やエネルギー消費への影響を調べた。

 肥満は、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病のリスクを高めるとされる。肥満予防は日本も含めて世界的な課題になっている。

 今回の研究報告によれば、これまでの肥満の原因としての食品の影響を調べる研究では脂質の取りすぎが問題として注目されることが多かった。一方で、パンや米、麺類など炭水化物食品が肥満に与える影響は十分に検証されてこなかったという。

 そこで、今回の研究では、炭水化物を多く含む食品がエネルギー消費や体重に及ぼす影響を動物実験により調べた。

 研究グループは、マウスに栄養バランスを満たした標準飼料とともに、パンや小麦粉、米粉を自由に選択して摂取できる実験系を構築し、体重変化やエネルギー消費量などを調べた。

エネルギー消費が下がると体重増加

腹部の脂肪を手でつまむ様子
腹部の脂肪を手でつまむ様子。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)
  • マウスはパンや小麦粉など炭水化物食品を好み、標準飼料をほとんど食べなくなる傾向が確認された。
  • 総摂取カロリーが大きく増えていないにもかかわらず、体重と脂肪量が増加した。
  • 背景にはエネルギー消費量の低下や脂肪蓄積などの代謝変化があり、小麦粉摂取をやめると改善した。

 その結果、マウスはパンや小麦粉を好んで食べる傾向が強く、標準飼料をほとんど食べなくなることが確認された。また、総摂取カロリーが大きく増えていないにもかかわらず、体重と脂肪量が増加した。

 実験を米粉でも行ったところ、同様の結果となった。

 炭水化物を多く含む食品を好む傾向と、それに伴う代謝変化が関係している可能性が示された。

 さらに、体重増加の背景に、エネルギー消費量の低下があることも呼気の分析に基づいて判明した。血液中では脂肪酸の増加や必須アミノ酸の低下も観察され、肝臓では脂肪の蓄積なども確認された。

 一方で、小麦粉の摂取を中止すると体重増加や代謝異常は速やかに改善した。

 今後、研究グループは、人の研究でも、炭水化物偏食などの影響を詳しく調べる方針だという。

 研究成果は、栄養や食品科学分野の国際学術誌「Molecular Nutrition & Food Research」に掲載された。

参考文献

炭水化物好きは太りやすい ~同じカロリーでも体重・脂肪が増加すると判明~(大阪公立大学)
https://www.omu.ac.jp/info/research_news/entry-22502.html

星良孝

この記事の執筆者

星良孝

PRENOVO編集長。東京大学農学部獣医学課程卒。日経BPにて「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集・記者を担当後、エムスリーなどを経て2017年にステラ・メディックスを設立。ヘルスケア分野を中心に取材・発信を続ける。獣医師。

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