研究

砂糖入り飲料を1日1杯超、胃がんリスク2.45倍と関連

米国11万人超を長期追跡、人工甘味料入り低カロリー飲料ではリスク上昇見られず

食道から胃までを強調した人体の解剖イラスト。
砂糖入り飲料の摂取と胃がんリスクとの関連を調べた研究が報告された。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)

 砂糖を加えた清涼飲料を毎日のように飲む習慣は、胃がんのリスクと関係している可能性がある。

 米マス・ジェネラル・ブリガムの研究グループが11万人を超える米国人を長期間追跡したところ、砂糖入り飲料を1日1杯超飲んでいた人では、ほとんど飲まない人と比べて胃がんの発症リスクが2倍以上高かった。研究成果は2026年8月に学術誌で報告された。

11万人を長期追跡、砂糖入り飲料と胃がんの関連を分析

氷入りの清涼飲料が入った複数のプラスチックカップを持つ人たちの手元。
砂糖入りの清涼飲料を飲む習慣は、胃がんリスクとの関連が指摘された。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)
  • 米国の2つの大規模研究に参加した11万2284人を対象に、砂糖入り飲料の摂取量と胃がん発症との関連を調べた。
  • 砂糖入り炭酸飲料やパンチ、レモネード、スポーツ飲料などを含め、摂取頻度を月1杯未満から1日1杯超まで5段階に分類した。
  • 追跡期間中に278人が胃がんを発症し、年齢やBMI、喫煙、飲酒、糖尿病、食生活などを考慮して解析した。

 報告によれば、砂糖入り飲料については、これまで大腸がんや乳がん、肝臓がんなどとの関連が報告されてきた。一方、胃がんとの関係については十分な研究がなかった。

 研究グループは、米国で長年続けられている2つの大規模研究に参加した11万2284人を分析した。参加者については、食事や生活習慣、健康状態が定期的に調査されていた。

 砂糖入り飲料には、砂糖を加えた炭酸飲料、パンチ、レモネード、スポーツ飲料などを含めた。1杯は約240mLとして、摂取頻度を月1杯未満から1日1杯超まで5段階に分けた。

 追跡期間中に278人が胃がんを発症した。研究では、年齢やBMI、喫煙、飲酒、糖尿病、運動習慣、食生活など、胃がんリスクに影響し得るさまざまな要因を考慮して分析した。

1日1杯超で胃がんリスク2.45倍

氷が入った透明な炭酸飲料のグラス。
人工甘味料入りの低カロリー炭酸飲料では、胃がんリスクの上昇は確認されなかった。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)
  • 砂糖入り飲料を1日1杯超飲む人では、月1杯未満の人と比べて胃がん発症リスクが2.45倍高かった。
  • 男女別では女性で3.04倍、男性で1.99倍の関連が見られた一方、人工甘味料入り低カロリー飲料ではリスク上昇は確認されなかった。
  • 因果関係はこの研究だけでは判断できず、体重増加やインスリン抵抗性、炎症、腸内細菌の変化などが関係する可能性がある。

 分析の結果、砂糖入り飲料を1日1杯超飲む人では、月1杯未満の人と比べて胃がんを発症するリスクが2.45倍高かった。

 男女別にみても同様の傾向があり、女性では3.04倍、男性では1.99倍だった。さらに、砂糖入り飲料に多く含まれる果糖の総摂取量が多い人でも、胃がんの発症が多い傾向が確認された。

 一方、人工甘味料を使った低カロリー炭酸飲料については、摂取量が多くても胃がんリスクの上昇は確認されなかった。

 また、胃がんの重要な原因となるピロリ菌についても、一部の940人で感染の有無を調べた。約3分の1に感染の証拠が確認されたが、砂糖入り飲料を多く飲むこととピロリ菌感染との間には関連が見られなかった。

 因果関係についてはこの研究だけからは分からないが、注意すべき関連といえそうだ。研究グループは、体重増加、インスリン抵抗性、炎症、DNA損傷、腸内細菌の変化などが関係する可能性を挙げている。日常的な飲み物の選び方と胃がんとの関係について注目される。

参考文献

Study Finds People Who Consumed Sugar-Sweetened Beverages on a Daily Basis Had Higher Risk of Stomach Cancer(Mass General Brigham)
https://news.massgeneralbrigham.org/en/daily-sugar-sweetened-beverages-higher-risk-of-stomach-cancer

Association Between Sugar-Sweetened and Artificially Sweetened Beverage Intake and Gastric Cancer Incidence(Gastro Hep Advances)
https://www.ghadvances.org/article/S2772-5723(26)00218-9/fulltext

星良孝

この記事の執筆者

星良孝

PRENOVO編集長。東京大学農学部獣医学課程卒。日経BPにて「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集・記者を担当後、エムスリーなどを経て2017年にステラ・メディックスを設立。ヘルスケア分野を中心に取材・発信を続ける。獣医師。

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