唾液1滴から、心身の状態と関連する指標を約10分で測定できるデバイスの実証結果が発表された。
キリンホールディングスと大阪大学発のスタートアップ、イムノセンスが実証実験を行い、2026年7月24日に結果を発表した。
唾液1滴から分泌型IgAを約10分で測定
唾液1滴を載せて使用する使い切りセンサー「GLEIAセルフチェックsIgA」。(出典:キリンホールディングス)
- 唾液に含まれ、睡眠やストレスなど心身の状態と関連する分泌型IgAを測定するデバイスを開発した。
- 専用センサーに唾液1滴を載せると、約10分で測定結果をスマートフォンから確認できる。
- キリングループの従業員30人が日常生活で使用し、測定が生活習慣を振り返るきっかけになるかを調べた。
今回使われたのは、イムノセンスが開発した実証実験用のデバイスだ。唾液に含まれる分泌型免疫グロブリンA(分泌型IgA)を測定する。
分泌型IgAは、口や鼻などの粘膜に含まれ、体を異物から守る働きに関わる物質だ。睡眠やストレスなど心身の状態との関連が知られ、日々の状態を振り返る際の参考となる指標の一つとされる。
測定には、専用の小型測定器と使い切りのセンサーを使う。唾液1滴をセンサーに載せると約10分で結果が出て、スマートフォンで確認できる。
デバイスには、免疫反応と電気化学反応を組み合わせたイムノセンス独自の「GLEIA法」が使われている。少量の唾液から特定の物質を短時間で測れる点が特徴だ。
実証実験は2025年2月から3月にかけて、キリングループの従業員30人を対象に行われた。参加者は日常生活の中で好きなタイミングで測定し、結果を見ながら自分の状態や生活習慣を振り返った。
測定後には、結果をどのように受け止めたか、自分の状態や原因を考えたか、生活習慣を変える行動を取ったかについてアンケートを実施した。有効回答は27人だった。
キリンとイムノセンスは、こうした測定が、「何となく調子が出ない」といった日常の変化への気づきや、睡眠、ストレスなどを見直すきっかけになるかを調べた。
約9割が状態を振り返り、改善行動を実施
専用測定器「GLEIAセルフチェックリーダー」に、使い切りセンサー「GLEIAセルフチェックsIgA」を差し込んだ状態。
- 測定結果に「ある程度納得できた」と答えた人は約7割だった。
- 測定をきっかけに、自分の状態や原因を考えるようになった人は約9割に上った。
- 何らかの改善行動を複数回行った人も約9割で、生活習慣を見直すきっかけになる可能性が示された。
アンケートでは、測定結果について「ある程度納得できた」と答えた人が約7割だった。
測定をきっかけに、自分の状態やその原因を考えるようになった人は約9割に上った。睡眠やストレスなど、日々の生活習慣との関係を意識したという回答もあった。
さらに、何らかの改善行動を複数回行った人も約9割だった。測定結果を確認することが、自分の状態への気づきや、生活習慣を見直すきっかけになったと見られる。
キリンとイムノセンスは、唾液を測る体験が、自分の心身の状態を振り返り、日々の行動を変えるきっかけになる可能性があるとしている。
両社は今後、日常生活の中で活用できるサービスの開発を検討するという。企業の健康経営や、従業員が自分の状態を把握する仕組みへの活用も探る方針だ。
日常生活にも、検査を活用する動きが広がる可能性がある。