超加工食品を多く食べる食生活については、肥満や糖尿病、一部のがんなどとの関連が指摘されている。しかし、実際にどの程度食べているかを正確に調べることは容易ではない。
その摂取量を、血液や尿に含まれる「代謝物」から客観的に推定する指標が報告された。
米国国立衛生研究所(NIH)の研究グループが、この研究成果を2025年5月に発表した。
血液や尿から超加工食品の摂取量を推定
塩分や脂質を多く含むスナック菓子。(写真:Adobe Stock)
超加工食品の摂取量を調べる研究では、これまで食事アンケートが主に使われてきた。
食事アンケートには、食べたものを正確に思い出しにくいことや、回答の偏りなどの課題がある。
研究では、血液や尿に含まれる代謝物をAIで解析し、超加工食品の摂取量を推定する指標を作成した。
超加工食品は、工場で高度に加工された食品を指す。スナック菓子や清涼飲料水、加工肉、インスタント食品、菓子パンなどが代表例だ。一般に、エネルギー量が多く、食物繊維やビタミンなどの栄養素が少ない傾向があり、さまざまな病気との関係が研究されている。
これまで、超加工食品の摂取量を調べる研究では、食事アンケートが主に使われてきた。しかし、食べたものを正確に思い出せないことや、回答の偏りなどが課題とされている。
そこで研究グループは、血液や尿に含まれる代謝物に注目した。代謝物は、食べたものが体内で分解、利用された後に生じる物質で、食生活の影響が反映される可能性がある。
研究では、718人の高齢者から集めた血液、尿、食事記録を解析。さらに、20人を対象とした臨床試験では、超加工食品が摂取エネルギーの80%を占める食事と、超加工食品を含まない食事をそれぞれ2週間ずつ食べてもらい、代謝物の変化を比較した。
これらの結果を基に、AI(人工知能)を用いて、超加工食品を多く食べる人に特徴的な代謝物の組み合わせを抽出し、「ポリメタボライトスコア」と呼ばれる指標を作成した。
食事アンケートを補う新しい評価法になる可能性
ファストフードや揚げ物を中心とした食事。(写真:Adobe Stock)
血液や尿の代謝物を組み合わせた指標により、超加工食品を多く含む食事と含まない食事を区別できた。
この方法は、食事アンケートを補い、食生活をより客観的に評価する手段になる可能性がある。
今後は、超加工食品と肥満、糖尿病、がんなどとの関係を調べる研究への応用が期待される。
研究では、血液と尿のそれぞれについて作成したポリメタボライトスコアにより、超加工食品を多く含む食事と超加工食品を含まない食事を区別できることが確認された。
解析では、超加工食品の摂取量と関連する代謝物が数百種類見つかり、それらを組み合わせることで、食生活の特徴を客観的に評価できる可能性が示された。
研究グループは、この指標が食事調査を補う客観的な評価法として役立つ可能性があるとしている。今後、超加工食品と肥満、糖尿病、がんなどとの関係を調べる研究の精度向上にもつながることが期待される。
今回の研究は主に米国の高齢者を対象としており、他の年代や食習慣を持つ人でも同じように利用できるかについては、今後の検証が必要になる。また、この指標は超加工食品の摂取量を推定するもので、病気を診断する検査ではない。
研究グループは、今後さまざまな集団で精度を確かめるとともに、がんや2型糖尿病などとの関係についても検討を進める必要があるとしている。