世界

子宮頸がん検診のHPV自己採取、欧州で選択肢拡大

医療環境内での自己採取と、陽性後の精密検査につなぐ運用上のポイント

窓際のテーブルで、検診について考えているような女性。
HPV検査の自己採取は、検診への心理的な負担を減らし、受診のきっかけになる可能性がある。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)

 子宮頸がん検診で使われるHPV(ヒトパピローマウイルス)検査で、女性自身が検体を採取する新たな選択肢が欧州で拡大した。

 米医療機器メーカーのホロジックは2026年7月14日、HPV検査「アプティマHPVアッセイ」が、自己採取した膣検体にも対応したと発表した。

 自分で検体を採れる仕組みが広がれば、子宮頸がん検診を受ける心理的、時間的な負担を減らせる可能性がある。

自宅ではなく医療機関で自己採取

「子宮頸がん検診」と書かれた検診案内書類の接写。
子宮頸がん検診では、HPV感染の有無を調べる検査が使われる。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)
  • HPV検査「アプティマHPVアッセイ」が、女性自身が膣から採取した検体にも対応した。
  • 自己採取は自宅ではなく医療機関などで行い、医師や医療従事者に採取してもらう必要がない。
  • 内診や他人による採取への抵抗感を減らし、これまで検診を受けてこなかった人の参加を後押しする可能性がある。

 子宮頸がんの多くは、HPVの持続的な感染が関係している。HPV検査は、子宮頸がんにつながる可能性のあるHPV感染を調べる検査だ。

 これまでの子宮頸がん検診では、医師や医療従事者が子宮頸部から検体を採取する方法が中心だった。内診台に上がることへの抵抗感や、医療機関へ行く時間を確保しにくいことなどが、受診をためらう理由になる場合もある。

 今回、ホロジックの「アプティマHPVアッセイ」は、専用の採取キットを使い、女性自身が膣から採取した検体でも検査できるようになった。

 重要なのは、今回認められた自己採取は、自宅で検体を採る方法ではない点だ。ホロジックは、医療機関などの医療環境で、本人が検体を採取する方法として説明している。

 それでも医師などに採取してもらう必要がないため、検診に対する心理的な負担を軽くし、これまで検診を受けてこなかった女性に別の選択肢を示せる可能性がある。

 子宮頸がんは、HPVワクチンと定期的な検診によって予防や早期発見が期待できるが、欧州でも検診の参加率には大きな差がある。ホロジックは、自己採取がこうした未受診層への働きかけにつながると見ている。

「自分で採る」検診、陽性後のフォローも重要

医療機関で、患者が内診台に座り、医療従事者が婦人科検診を行う様子のイラスト。
従来の子宮頸がん検診では、医師や医療従事者が子宮頸部から検体を採取する方法が中心だった。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)
  • 自己採取でHPV陽性となった場合は、医療機関で追加の検査や確認が必要になることがある。
  • 必要に応じて医療従事者が子宮頸部からあらためて検体を採取し、詳しく調べる。
  • 自己採取だけで子宮頸がんの診断まで完結するわけではなく、陽性者を精密検査へ確実につなげる体制が重要となる。

 自己採取には利便性がある一方、検査結果が陽性だった場合には、その後の医療につなげる仕組みが欠かせない。

 自己採取するのは膣の検体であるため、陽性の場合には、医療従事者が子宮頸部からあらためて検体を採取し、詳しく調べる必要が生じる場合がある。

 自分で採取できるからといって、子宮頸がんの診断まで自己採取だけで完結するわけではない。陽性になった人を、その後の受診や精密検査へ確実につなげる仕組みも重要になる。

参考文献

CE-IVDR Mark for Hologic’s Aptima HPV Test Expanded to Include Self-Collected Sample Claim in Cervical Cancer Screening(Hologic)
https://www.hologic.com/about/press-release/ce-ivdr-mark-hologics-aptima-hpv-test-expanded-include-self-collected-sample

星良孝

この記事の執筆者

星良孝

PRENOVO編集長。東京大学農学部獣医学課程卒。日経BPにて「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集・記者を担当後、エムスリーなどを経て2017年にステラ・メディックスを設立。ヘルスケア分野を中心に取材・発信を続ける。獣医師。

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